即戦力がつく英文法

『即戦力がつく英文法』(DHC) の内容を補足していきます。

『即戦力がつく英文法』に対する否定的なレビューのご紹介

『即戦力がつく英文法』のアマゾンでのレビューは通常と異なり、肯定派12対否定派11ときれいに分かれ、珍しいことに真ん中の三つ星がゼロです。 肯定派は普通ですが、否定派のレビューの内容が異常です。アマゾンに対して、本の内容のレビューに名を借りた断…

Action-Oriented Approachとは何か

『即戦力がつく英文法』の英文タイトルは、English Grammar: An Action-Oriented Approachとなっていますが、actionと言っているくらいですから、ヒトが主役という意味です。 伝統的なアプローチは、ヒト抜きと言うのか、英語が使われる実際の環境から切り放…

ハリデイ流機能文法とCEFR

『即戦力がつく英文法』はハリデイ流機能文法とCEFR(欧州評議会加盟の47ヶ国が言語学習・教授・評価の透明性と首尾一貫性を確保すべく採択している言語モデル)を二つの柱としていますが、両者の関係を説明できたらと思っています。 CEFRはいきなり出来たも…

既存英文法と機能文法の違い

伝統的英文法、特に中学英文法は名詞、動詞といった基本的品詞分類その他の文法用語をおさえ、かつ、平叙文や疑問文の作り方を知るといった基本を学ぶのに便利です。一方、『即戦力がつく英文法』が念頭においている機能文法はその次のステップへと案内する…

ハリデイ流機能文法と『即戦力がつく英文法』の関係

ハリデイ流機能文法を枠組みとして『即戦力がつく英文法』を書きましたが、本家の用語をそのまま使うとかえってわかりにくいので大幅に変えています。実際、(今は変わったと思いますが)ハリデイ流機能文法を公教育の英文法に応用することにしたオーストラ…

『即戦力がつく英文法』と他の文法書との比較

『即戦力がつく英文法』の性格を知らずにこれまでの文法書の一種と思って読むと面くらうでしょうから、目次の項目で違いを比較してみました。どちらがいいというのでなく、ともかくアプローチの違いを見て取れるかと思います。 文法書Aの構成 文の種類、動詞…

即戦力英文法の下地である機能英文法について(3):抽象的コンテクスト

主としてライティングで意識しておく必要のある「抽象的コンテクスト」は、ハリデイ流機能文法では genre と呼ばれています。Martinという研究者によると、抽象的コンテクストとは、「段階を追う、目的意識のある社会的プロセス」です。まず社会の中で言葉を…

即戦力英文法の下地である機能英文法について(2):ハリデイ流機能文法のあらまし

この本が拠り所としているハリデイ流機能文法は、英語ではSystemic Functional Grammarと呼ばれています。 M.A.K. Hallidayが言語学に社会言語学的な視点を取り込みながら、英語の「作り」がどうなっているかより、むしろ英語が「どう使われており、コミュニ…

CEFRが言うコミュニケーション能力について

CEFRはコミュニケーションのための言語能力を linguistic competences sociolinguistic competences pragmatic competences という3つの側面から取り上げています。 要するにコミュニケートするというのは、一定のコンテクストの中(だから社会言語能力が必…

即戦力英文法の下地である機能英文法について(1):コンテクスト

『即戦力がつく英文法』は、ハリデイ流の機能英文法 (systemic functional grammar) の独特の用語を避けながらも、その趣旨を織り込んだつもりです。そのハリデイ流機能文法の柱のひとつがコンテクスト、つまり言葉が使われる環境です。 ハリデイ自身、コミ…

『即戦力がつく英文法』の目次の詳細化

『即戦力がつく英文法』、索引をつけてくれとの声が寄せられています。編集者にしてみれば、目次を詳細にしたからあれで十分と考えたようですが、レベルが十分掘り下げられておらず、取り上げている語句もわかりません。 そこで、最下位の見出しとその中身ま…